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谷 幸則*; 柿沼 里美*; Chang, J.*; 田中 万也; 宮田 直幸*
Minerals (Internet), 11(1), p.53_1 - 53_14, 2021/01
被引用回数:4 パーセンタイル:43.25(Geochemistry & Geophysics)本研究では、マンガン酸化活性を保った状態の生物性マンガン酸化物によるBa除去メカニズムを調べた。水溶液中に二価マンガンを添加した場合には、新たなマンガン酸化相が形成されBaが不可逆的に強く固定されることが明らかとなった。広域X線吸収微細構造スペクトルと粉末X線回折解析により、Baが層間に取り込まれることでマンガン酸化物の層状構造が安定化していることが分かった。
塚田 慎也*; 藤井 康裕*; 米田 安宏; 森分 博紀*; 小西 綾子*; 秋重 幸邦*
Physical Review B, 97(2), p.024116_1 - 024116_7, 2018/02
被引用回数:20 パーセンタイル:66.85(Materials Science, Multidisciplinary)BaTiOは強誘電的相転移温度が743Kの強誘電体で、分極方位が結晶学的に1軸に制限されているため、Uniaxal ferroelectricsとも呼ばれる。このBaTiOの相転移挙動を明らかにするために短距離レンジから長距離レンジに渡る構造解析を放射光X線回折で、また格子ダイナミクスをラマン分光法を用いて観察を行った。実験的結果と第一原理計算の結果から、BaTiOの相転移を理解することができた。すなわち、TiO八面体ユニット中のTiの振動モードの凍結によって空間群が常誘電体のから強誘電体のへと変化することがわかった。
富田 純平; 阿部 琢也
JAEA-Research 2016-026, 12 Pages, 2017/03
本研究では、現地において大容量の淡水試料( 170L)からRa同位体を回収する前処理法と実験室における単純な共沈法を組み合わせた線スペクトロメトリーによる淡水試料中の低濃度Ra同位体分析法を開発した。運搬する試料量を減容するための現地における前処理法として、Powdex樹脂によるバッチ法を検討し、Ra同位体の回収に必要な樹脂量は、水試料の電気伝導度から評価可能であることを明らかにした。また、Ra同位体を硫酸バリウム共沈法により回収することで、バックグラウンドを上昇させるKを96%以上除去できた。既知量のRa同位体を含む電気伝導度が異なる170Lの淡水模擬試料を本手法により分析し、分析法の妥当性を確認した。この時のRaの回収率は、平均98%、Ra及びRaの検出限界値は、それぞれ約0.3及び0.5mBq Lであった。
Tai, R.; 並河 一道; 澤田 昭勝*; 岸本 牧; 田中 桃子; Lu, P.*; 永島 圭介; 圓山 裕*; 安藤 正海*
Physical Review Letters, 93(8), p.087601_1 - 087601_4, 2004/08
被引用回数:76 パーセンタイル:89.42(Physics, Multidisciplinary)チタン酸バリウムのフェロ相とパラ相に存在する分極クラスターをピコ秒X線レーザーを用いたスペックル計測法を用いて、世界で初めて観測しその特性を調べることに成功した。これらの動的に変化する分極クラスターは結晶温度がキュリー温度(Tc)に近づくにつれて現れる。そしてその分極クラスターの間隔は温度とともにリニアに増加する。ところがその平均サイズはほとんど変化しない。分極はキュリー温度より約5度低い温度点で最大値を示す。分極クラスターの短距離相関強度は、結晶温度がキュリー温度に向かって減少していくにつれて、(T-Tc)0.410.02の関係をもって変化する。
永島 圭介; 田中 桃子; 錦野 将元; 岸本 牧; 加道 雅孝; 河内 哲哉; 長谷川 登; 越智 義浩; 助川 鋼太*; Tai, R.; et al.
Applied Physics B, 78(7), p.927 - 932, 2004/05
波長13.9ナノメートルでの空間フルコヒーレントX線レーザーの開発に成功した。この実験は、2つのレーザー媒質を用いて、第1の媒質から得られるシード光を第2の媒質で増幅するもので、ビーム発散角が0.2ミリラジアンという極めて指向性の高いX線ビームが生成された。この発散角は、回折限界の2倍以内である。シード光は第2媒質中で屈折の影響無しに増幅されており、増幅係数はセンチメートル当たり約8であった。また、可視度の測定から、空間コヒーレンス長がビーム径より大きいことがわかった。こうした空間コヒーレンスの高いX線レーザーの応用研究として、強誘電体であるチタン酸バリウムの表面分域構造の観測を行い、キュリー温度近傍での分域構造の変化を明らかにした。
米田 安宏; 香村 芳樹*; 鈴木 芳生*; 濱崎 真一*; 高重 正明*
Journal of the Physical Society of Japan, 73(4), p.1050 - 1053, 2004/04
典型的な強誘電体であるチタン酸バリウムのX線トポグラフィをSPring-8の放射光を用いて行った。実験は空間分解能の非常に高いアンジュレータビームラインを用いて行ったため、結晶に生じる歪みを敏感にとらえることができた。チタン酸バリウムは90度ドメインの近傍で異なるドメイン間の格子定数をつなぎ合わせるために歪んでいることがわかった。この放射光を用いた強誘電体のドメイン観察手法は強誘電体のドメインをコントロールして新奇な物性を付加するための測定手段として広く応用されることが期待できる。
米田 安宏; 阪上 潔*; 寺内 暉*
Journal of Physics; Condensed Matter, 13(42), p.9575 - 9582, 2001/10
被引用回数:19 パーセンタイル:68.05(Physics, Condensed Matter)リラクサー強誘電体に代表されるようなマイクロドメイン強誘電体では、強誘電体内に生じる強誘電ドメインサイズが物性と密接な関係をもつことがわかってきた。しかし、現在のところ、バルク状態での強誘電的ドメインサイズを制御する方法は見つかっていない。そこで、薄膜にすることによってドメインサイズを1次元的に制御し、物性がどのように変化していくかを研究してきた。バルクの典型的な物性である相転移をマーカーにして、チタン酸バリウム薄膜の作製条件を変えて詳細に調べたところ、薄膜のサイズ、つまりドメインサイズがナノオーダーとなったとき、バルク物性を失い、薄膜特有の物性が現れることがわかった。この結果はマイクロドメイン強誘電体のドメインサイズ効果とよく一致しており、誘電体分野において、薄膜とバルクの架け橋となることを示唆している。
米田 安宏; 阪上 潔*; 寺内 暉*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 39(8), p.4839 - 4842, 2000/08
被引用回数:16 パーセンタイル:57.5(Physics, Applied)チタン酸バリウムはペロブスカイト型の強誘電体で、その誘電特性は古くから調べられてきた。しかし薄膜に関しては電極を付けてその誘電特性を調べることができるほどの良質の薄膜を得ることが困難であるため、薄膜の構造はバルクとはちがった性質を持っているにもかかわらず、誘電率測定によってその電気的性質が明らかになることはなかった。しかし近年、薄膜作製技術の進歩によってナノスケールオーダーの薄膜をも電極を付けて薄膜コンデンサーを作ることができるようになった。この薄膜コンデンサーの誘電率測定と自発分極測定を行ったところ、バルクとは明らかにちがい性質であることが、電気的測定からも明らかとなった。またチタン酸バリウムは微粒子にすると誘電的性質が変わるとされているが、微粒子の誘電測定は非常に困難であるため、薄膜の誘電測定によって有限サイズ効果の知見を得ることが期待される。
鄭 和翊; 松岡 史哲*; 加藤 政明; 丸山 庸一郎; 有澤 孝
Optics Letters, 25(7), p.481 - 483, 2000/04
被引用回数:14 パーセンタイル:57.17(Optics)チタン酸バリウム結晶を用いたリング型位相共役鏡をNd:YAGレーザーシステム内の位相歪み補正に適用した。レーザーシステムは2台の主増幅によって構成されるが、この増幅器は高繰り返し動作時に熱歪みを生じ、レーザーのビーム品質を低下させてしまう。上記位相共役鏡は熱歪みによるビーム品質低下を完全に補正し、回折限界のビーム品質を達成できる。チタン酸バリウム結晶を用いた位相共役鏡をハイパワーレーザーに適用したのは世界でも初めての試みである。
米田 安宏*; 岡部 達*; 阪上 潔*; 寺内 暉*; 笠谷 祐史*; 出口 潔*
Journal of Applied Physics, 83(5), p.2458 - 2461, 1998/03
被引用回数:97 パーセンタイル:94.47(Physics, Applied)ペロフスカイト型の強誘電体であるチタン酸バリウムは分子線エピタキシー法を用いた交互蒸着によって良質の薄膜が得られる。薄膜化したチタン酸バリウムはエピタキシャル効果によってバルクとは異なった構造をもつと考えられるが、それをX線回折を用いて明らかにした。薄膜のX線回折は、成長後に室温・大気中で行った。得られたプロファイルから格子定数が求まったが、膜厚が薄ければ薄いほど基板効果は大きく格子は大きく歪んでいた。この歪みはバルクの体積を保持するもので、面内の格子定数が大きく基板効果によって押し縮められた薄膜は成長方向に大きく伸びていた。基板上に50層(約200積層させるとほぼバルクと同じ格子定数となるが、面内の反射のロッキングカーブは依然としてブロードニングを起こしており、基板からの歪みは解消されていない。このようなエピタキシャル効果は誘電体でしかみられない現象である。
福本 雅弘; 飯島 和毅; 牧野 鉄也; 林 晋一郎; 宮本 陽一; 中西 芳雄
PNC TN8410 96-055, 147 Pages, 1998/02
再処理施設から発生する低レベル放射性廃棄物を対象に、模擬廃棄物を用いた水熱固化試験を平成3年度から7年度にかけて実施した。本研究は、低レベル放射性廃棄物を減容性に優れ、所定の強度を有した安定な固化体とするために、固化母材を加えないか出来る限り少なくした水熱固化法の適用可能性を評価することを目的とする。試験は、 1)「廃シリカゲル」への適用を考えた、100mmの固化体作製用水熱固化装置を用いた水熱ホットプレス法によるシリカゲルの固化試験、 2)「低レベル濃縮廃液核種去スラッジ」への適用を考えた、100mm及び30mmの固化体作製用水熱固化装置を用いた水熱ホットプレス法による模擬低レベル濃縮廃液核種除去スラッジの固化試験及び低レベル濃縮廃液核種除去スラッジの主要成分である酸化鉄(Fe2O3)及びヨウ化銀(AgI)を対象にHIP装置を用いた水熱HIP法にようる固化試験、 3)「廃ヨウ素フィルター」への適用を考えた、30mmの固化体作製用装置を用いた水熱ホットプレス法にようるAgX、AgZ、AgSの固化試験等を行った。 1)シリカゲルの水熱ホットプレス法による固化試験の結果、添加剤としてBa(OH)2が有効であり、減容係数は1.32、一軸圧縮強度は105kg/cm2であった。 2)模擬低レベル濃縮廃液核種除去スラッジの水熱ホットプレス法による固化試験の結果、可溶性成分(NaNO3、NaNO2)のほとんどを絞り出し水側に分離でき、ヨウ化銀の絞り出し水への移行割合は0.2wt%未満であった。模擬低レベル濃縮廃液核種除去スラッジの減容係数は3.3、一軸圧縮強度は1014kg/cm2であった。また、酸化鉄及びヨウ化銀の水熱HIP法による固化試験の結果、酸化鉄の場合減容係数は5.2(固化体のかさ密度は3.710kg/m3)、ヨウ化銀の場合減容係数は1.4(固化体のかさ密度は4.910^3kg/m3)であった。 3)AgX、AgZ、AgSは、水のみ添加で水熱ホットプレス法により固化体を得られた。減容係数はそれぞれ3.08、1.78、2.03、一軸圧縮強度はそれぞれ944kg/cm2、208kg/cm2、533kg/cm2が得られた。AgXは水熱ホットプレス固化によって非晶質化した。
米田 安宏*; 岡部 達*; 阪上 潔*; 寺内 暉*
Journal of the Korean Physical Society, 32, p.S1393 - S1396, 1998/02
120C付近で常誘電体-強誘電体相転移を起こすチタン酸バリウムは種々の方法で薄膜化が試みられている。なかでも原子層オーダーで成膜コントロールが可能な反応性蒸着法は、チタン酸バリウムを薄膜化する際に生じる基板効果をエンハンストさせることが期待される。誘電体薄膜における基板効果を明らかにするために異なるミスマッチの基板上に同じ成長条件で薄膜を成長させ、成長中のRHEEDによるその場観察、及び成長後に行ったX線回折により、その違いを調べた。
Huang, J.*; 山脇 道夫*; 山口 憲司*; 安本 勝*; 桜井 博司*; 鈴木 康文
Journal of Nuclear Materials, 248, p.257 - 261, 1997/09
クヌーセンセルを用いた高温質量分析法によりストロンチウムあるいはバリウムとウランとの複合酸化物の蒸発挙動を調べた。セルの材質として白金の代わりに黒鉛を用いた場合、バリウムの複合酸化物でバリウム分圧が大幅に増加した。また、重水あるいは重水素を導入した場合、一酸化物分圧の低下が見られ、雰囲気条件が複合酸化物の蒸発に大きな影響を与えることが確認された。
北澤 真一; 左高 正雄
Atomic Collision Research in Japan,No. 22, 0, p.115 - 116, 1996/00
我々は、イオンと励起原子の衝突実験を目的としてバリウムの準安定状態を生成する実験を行っている。これはバリウムの6sS-6s6pP遷移が波長791.13nm、振動子強度0.085で、半導体レーザーで励起できるからである。
北澤 真一
JAERI-Tech 95-042, 27 Pages, 1995/09
ECR(Electron Cyclotron Resonance)イオン源をもちいて、イオン-原子の多電子移行衝突によって放出される電子のエネルギースペクトルの解析実験を行っている。標的原子として気体をもちいる従来からの衝突のシステムと、標的として蒸気状の原子をもちいる新しい衝突のシステムを採用した。本報告では、この実験にもちいられた装置の開発・研究の報告を行う。
鈴木 康文; 中島 邦久; 岩井 孝; 大道 敏彦; 山脇 道夫*
JAERI-Research 95-027, 19 Pages, 1995/03
ストロンチウム及びバリウムとプルトニウムの複合酸化物のなかで、プルトニウムが4価をとる化合物、SrPuO及びBaPuOを調製し、その結晶構造を解析した。ストロンチウム及びバリウムの炭酸塩と二酸化プルトニウムの混合粉末成型体を小孔付きセル内に置き、アルゴンガス雰囲気中で加熱することにより、ほぼ単相の複合酸化物を得た。その結晶構造は立方晶が僅かに変形した斜方晶であることが確認された。
日夏 幸雄
Journal of Solid State Chemistry, 102, p.566 - 569, 1993/00
被引用回数:24 パーセンタイル:70.37(Chemistry, Inorganic & Nuclear)BaUOを合成し、その磁化率を4.2Kから室温まで測定した。X線回折から、これは理想的なcubicペロブスカイトであることがわかった。磁化率の測定から、酸素定比なBaUOでは「温度に依存しない常磁性」を示すことがわかった。このことはウランのまわりの酸素の配位がオクタヘドラルであることに一致している。BaUThOの磁化率も測定した。
前原 直; 恒岡 まさき; 横倉 賢治; 本田 正男; 沢畠 正之; 坂本 慶司; 関 正美; 池田 佳隆; 三宅 節雄*
Plasma Devices and Operations, 1(2), p.141 - 154, 1991/10
1MWクライストロン電子銃部における経年変化による耐電圧劣化を抑制するために、電子銃部の改良を行った。改良点は、各電極間の寸法をさらに最適化することにより、各電極表面の電界強度を軽減することと、無コーティングのカソードからイリジウムをコーティングしたカソードに交換することにより、カソードからのバリウム蒸発量を抑制することである。改良の結果、クライストロンの最大ビーム電圧が、84kVから94kVまで印加することが可能となり、周波数2.17GHzにおいて、今までの最大高周波出力1MW、10secから1.4MW、10secの安定な高出力化を達成した。さらにJT-60LHRFシステムでの約200日間の動作試験において、耐電圧劣化による保護インターロックの動作回数が、改良前のクライストロンに比べて10%以下となり、改善されていることが確認された。
守屋 孝; 本石 章司
Proc. of the 3rd Asian Symp. on Research Reactor, 8 Pages, 1991/00
窒化アルミニウムをターゲットとしてJMTRで照射し、N(n,p)C反応により生成するCを分離し安定な[C]-炭酸バリウムとして得るC製造法を紹介する。本法は50GBq/バッチの規模で行われるため高中性子束及び高ガンマ線束下で長時間の照射を必要とし、ターゲットの健全性が求められる。このため窒化アルミニウム粉末を加圧成型したのちヘリウム雰囲気で焼結することにより、照射時の健全性を保てることが確認されるとともに、比放射能の低下をもたらすCの含有量も低下させることが判った。照射後ターゲットは高温燃焼炉で二酸化炭素に酸化し、いったんアルカリ溶液に吸収させた後塩化バリウムを加え炭酸バリウムとした。[C]炭酸バリウムから、さらに有機化合物を標識するのに便利な四種類の前駆体[1-C]酢酸ナトリウム、[C]メタノール、[C]シアン化カリウム及び[U-C]ベンゼンの合成操作について述べる。
木村 貴海; 小林 義威; 吾勝 常勲
Radiochimica Acta, 39, p.179 - 183, 1986/00
硫酸バリウムのネプツニウム、プルトニウム、アメリシウムの共沈挙動を、酸の種類と酸濃度、およびバリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムの添加量による収率変化について検討し、これらの元素が硫酸バリウムへ定量的に共沈する最適条件を得た。またこれらの元素の定量的な相互分離に必要な酸化剤、還元剤の検討を行い、酸化剤として過マンガン酸を、還元剤として亜硝酸、ヒドロキシルアミンを順次使用することにより、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウムを連続的に相互分離することができる条件を見出した。